サーツ概要


平成10年11月17日 建築技術支援協会(任意団体)設立(事務局:東大松村研)
平成11年 9月 7日 東京都よりNPO法人として認証される
平成12年 1月12日 現在地に事務所開設

建築技術支援協会は、建築の豊富な技術、経験、知識を持つ退職者などの中高年のベテラン技術者が個人の立場で集まった団体です。次世代への熟練技術の伝承、建築・住宅に関する技術の情報発信活動などを通して、社会に貢献することをめざしています。技術者個人の良識を基にした公正中立な集団として、企業や行政とは異なる活動を展開しています。公正中立さを確立するため、NPOの経営としては厳しい企業寄付金ゼロの道をあえて選び、自立性の高い運営を行っています。
現在、協会の会員は約百名です。意匠・構造・設備から、施工・コンクリート・鉄骨・地盤など、多彩な分野の建築や住宅のベテラン技術者や学識経験者が勢ぞろいしています。退職後も生涯を通して技術者として生きることをめざす会員です。         

当協会は、1998年3月にNPO法が国会で成立したのを受けて、7月に準備会を発足し、同年11月に設立しました。最初から事業体としてのNPO法人をめざして組織をつくり、1999年9月にNPO法人の認証を受け、活動を本格化させるために、2000年1月に事務所を文京区本郷に開設しました。その後、活発な技術伝承の講座や情報発信事業を継続して実施し、講座の参加者の大幅な増加や、報道関係による多数の記事掲載などにより、その成果も周知されるに至っています。日本建築学会をはじめ他の建築関連団体から後援を頂いたり、共同で講座やシンポジウムを開催するなど、業界内でも高い評価を得ています。また、高齢化の進む日本において「退職後のいきがいの場としてのNPO」を実現した先駆的モデルとして、社会的にも評価されています。

活動目的


当協会がめざすのは、建築技術に関する2つの橋渡し役です。第1は、熟練技術者から後継技術者へ技術伝承をすること、第2は専門家から一般市民へ建築技術の情報を正しく伝えることです。
第1の技術伝承では、東京オリンピックの頃に建築界へ入り、高度成長期に日本の建築技術を創りあげた熟練技術者がいっせいに退職の時期を迎えていますが、厳しい市場競争は後継者を育てる余裕を企業から奪っています。不況下においても、マニュアルでは伝えられないノウハウや経験を伝承する場を確保するために、熟練技術者が手弁当でNPOを結成しました。
第2の市民へのかけ橋も重要な役目です。建設業は、官と業の結びつきが強く外からわかりにくい業界といわれています。良心的な建物づくりに励む技術者が多い一方で、残念ながら不適格な業者もいます。しかし、この違いを伝えるのは容易ではありません。当協会は、個人の良識を基にするベテラン技術者集団で企業会員を持ちません。官でも、企業でもない、NPOという中立な第三者の立場で、設計や施工や建物の善し悪しを技術的に評価し、市民の方々へ正しい情報を公開する努力を続けています。

協会組織図


●設 立  98年11月17日 
●会員数  正会員72名、賛助会員42名、顧問1名、計115名
(平成22年3月15日現在)

協会役員(平成22年7月現在)
代表理事
和田 章 松村秀一
常務理事
太田統士 小藤捷吾
理事・相談役
阿部市郎 
米田雅子
理事
安部重孝 泉 清之 福本雅嗣 
向野元昭 伊藤誠三 野嶋 治
監事
大野隆司 宮崎吉英

設立時(平成10年11月17日)の趣意書


建築生産に関する日本の技術は、戦後の復興以降、近代化・合理化を旗印に建設活況が続いた中で、各専門分野で飛躍的に進歩・発展を遂げてきた。さらに近年は、社会の成熟化に伴って、建築物の性能評価、品質保証、保全、ライフサイクルコスト、あるいは地域の景観、環境および安全等が一層重視されるようになり、それらに対応する技術も急速に進展して、建築技術は非常に多様化、高度化してきている。
これらの優れた技術は、今後とも引き継がれ、更なる向上・発展を重ねて、時代の要請に応じて広く社会に還元されていかなければならない。
しかしながら、今、高度な建築技術を次代へ継承していくことが困難になりつつある。社会経済の変化に伴って、建設市場は縮小傾向を辿りはじめ、市況が深刻化する中で、建築生産に携わる企業は、多彩な熟練技術者を常時社内に確保しておくことが難しいだけでなく、若年層への技術継承の機会となるプロジェクトすら減少している。また、高度な技術と豊富な経験をもつ多くの技術者は、定年を迎えて、後継者がいないまま、第一線から退くことを余儀なくされており、その鍛え上げた専門技術を生かす場を再び見出すことも難しくなりつつある。このような環境下では、マニュアル化された手法のみが先行し、経験によって培われた生身の技術伝授がおろそかになり、有効な技術開発の進展にも支障をきたし、ひいては建築技術の後退、建築物の品質低下を招く恐れがある。
このような背景に鑑みて、各専門分野でこれまで培われた高度な技術や経験を、社会の要請に応えて生かしていく機会を創出することは、今後の重要な課題である。その視点から、ものづくりに欠かすことのできない高い倫理性と高度な技術を有する退職者等中高年の技術者が、互いに協力して、建築技術に関する幅広い分野で、各種の支援活動を行うことは、健全な社会資産の形成にとっても極めて有意義なことである。
よってわれわれ有志は、「建築技術支援協会」を設立し、意欲ある多彩な専門技術者を募り、非営利団体として、建築技術関連の支援活動を通じて、社会に貢献しようとするものである。それらの活動の目標は、次代の人材を育てる教育推進、地球環境も視野に入れた環境保全、耐震、耐火等に基づく地域安全、その他建築に係る幅広い助言・援助を通じた健全なまちづくり、海外技術支援等の国際協力、等々広く公益に寄与するものとする。
 さらに、建築行政面では最近、建築基準の性能規定化等の面で建築基準法の改正が行われたが、本協会は、それらの仕組みを支える公正中立な第三者機関の一つとして、性能評価や審査・検査に貢献することについても検討することとする。