第3回
6月10日(木)18時〜
終了しました
|
講 師:神田順 東大教授(東京大学新領域創成科学研究科)
テーマ:「建築基本法と建築の質の向上 」
建築基本法の提案は、性能規定化をねらいとした建築基準法改正が法規制の限界を見せたことが契機となった。技術基準を、国によって法の形で整備することは、もはや限界であり、その歪みを解きほぐすには、新しい法体系が必要であると考える。専門家の判断が尊重されるためには、情報は公開するが、判断の責任は専門家が負うことを、国民も行政も了解して初めて可能になる。それが建築基本法である。建築物が単に私有財産としてではなく、社会資産であることを確認し、その質が社会にふさわしいかどうかを、自治体レベルで合意することが、これからの持続可能社会の実現に向けて、私たちの必要とする新しい社会制度だと思う。構造安全性は、最低基準を全国一律に定めて皆で守ろうとするのではなく、どの程度安全かということを十分に情報開示した上で、その用途、規模、土地にふさわしいレベルを選択する時代になった。その実現に向けて、構造安全性は自治体を構成する人々の責務であるということを基本にする制度づくりを進めるとよいと考える。社会資産、地方主権という考えについても、基本法制定の過程で十分な国民的議論が、建築の質の向上を導くものになると思う。 |