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「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が公布され、平成21年6月4日に施行の予定である。この法律が成立見込みとなった平成20年10月に(社)住宅生産団体連合会(以下、住団連)にて、この法律ならびに「超長期住宅先導的モデル事業」の実現・普及のため講習会を開催する事となり、その講師として住宅関連のOBに対しての応募があつた。私は住友林業(株)から(社)日本木造住宅産業協会に技術開発部長として出向し、住団連の代表委員として参画し関連もあって応募の要請があり応募した。応募により委嘱された講師のための講習会が開催され、今回の法律ならびに「超長期住宅先導的モデル事業」などの「住宅の長寿命化」について知ることができ、本年2月末までに住団連の主催する講習会を2回、希望する団体に対して行う出前講座を3回実施した。
今回の「住宅の長寿命化」は構造の耐震性、耐久性、省エネ性、維持管理の容易性、高齢者への対応性、変化に対応する空間の確保が必要であり、住宅履歴書として関連書類の一括保管と、維持管理として長期修繕計画書などが必要である。この中で一番難しいのは「変化に対応する空間の確保」と思われる。限られた敷地・予算で将来を見こしたプランを作成する事は実際の計画時点の要望にとらわれ難しい事である。
私も住宅を計画した時に敷地は確保したが住宅を建てる予算はなく公庫の融資にて平屋で造り、将来を見こして2階建の梁組みを考え設計し建築した。子供二人が成長し2階の増築を計画したが、その時点で希望するプランがうまく行かず、予算組みでかなり割高になる事と、増築での公庫の融資も多く借り入れができない事が分り、2階増築の計画を断念し築14年で解体し建て直す事とした。
もったいない話ではあるが将来を見こしてのプラン造りはその時々で考え方が変わり大変難しい事であり、増築で低金利の希望する額が借り入れられる融資制度がなかった事が原因であった。そして建替え計画となったが子供部屋を2室造り将来には2世帯住宅として可能となるよう計画した。完成し8年もしない内に子供の一人、娘が社会人となり勤務先から自宅が遠いとの事でマンション暮らしを始め出て行き、その後一人息子と結婚し、同居して暮らす見込みはなく、もう一人の娘も13年程で外国の方と結婚し外地で暮らしており、同居の見込みもなく家内と二人暮らしとなった。苦労して建て自ら設計した家であるので、終の棲家としたいところあるが夫婦で元気な内は良いが、いずれ他人の世話にならなければならない事になった場合は家・土地を売却して有料の老人ホームにお世話になる事になるのではと思われる。
住宅を売却する際に既存住宅としての評価が適正に行われる事が望ましいが、現況の評価は築何年で評価され数十年経った家は価値がなくなるとの事と聞いている。構造的にも耐久性も分らず以前の建売のような住宅であれば、やもうえないが、ある程度のハウスメーカーで信用もあり構造・耐久性もしっかりしており、メンテナンスも良く外装・内装もリホームされ検査済証がある場合など、築年数が多くても高い評価を受けられるべきであると思う。今回の法律で「長期優良住宅」として認定された場合、新築時に登録免許税などの税の軽減、住宅ローンの優遇措置、所得税特別控除の税制支援が受けられるが、この住宅が既存住宅となって売買される時点で同様の税制支援が受けられる事が望ましく、高い評価にて売買される仕組みが構築される事を望む。売却後に愛着のある家が簡単に解体されてしまうのはいかにも寂しく、新しい買い手がそのまま住み続けて頂ければありがたい事である。
住宅の設計にて建築に携わってきた私にとって、私が係った住宅は私が生きている内は存続して有ることを願う者であるが、時代の流れもありやもうえないかとも思う。戦中・戦後生まれの世代が親の支援もなく子育てを行い、家を持つことを夢に見て懸命に働き、やっとの思いで住宅を実現した方が多く居られ、私と同様な悩みを持つ同世代の方も多いのではと思う。今回の「住宅の長寿命化」講習会にて受講者に対して「皆さんの携わる住宅が200年“もたせる”住宅を建てて頂きたい」と話している。今回の法律の施行を契機に長期に残りうる優良な住宅が多く建てられ社会資産となることを強く望む者である。
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